とある絵本を思い出す(オオソリハシシギ)

4月の中旬、良く晴れた日の事です。

渡り途中のシギやチドリを期待して春の海岸へ向かいました。

この時期の柏崎市の浜辺には浅瀬が多く、波も穏やかです。


普段ですと、磯では貝や磯海苔をとる人の姿をみかけます。

しかし、その日はまだ残る寒さ(気温9℃)のためか、人はほとんどいませんでした。

おかげで、浜辺で採餌に勤しむ1羽の大きなシギに出会えました。



オオソリハシシギ(冬羽)です。

名前の通り、上方に反り返った長い嘴が特徴です。

砂浜にブスブスと嘴を突き立てて餌(カニ、ゴカイetc.)を探しています。

採餌に夢中なのか、ゆっくりとであれば15mくらいの距離まで近付けました。

私にとっては初めて見る野鳥だったので、とても興奮しました。



動きが速いのですが、餌を見つけた時だけ同じ場所を集中的に突くので、見ていて面白いです。

砂の中からゴカイを見つけました。

1/2000までシャッタースピードを上げて撮影すると、何を見つけたのかも分かります。

このオオソリハシシギはゴカイが好物のようです。



その後、別方向から来た貝獲りらしき男性に驚いて、沖にある岩場に逃げてしまいました。

岩場では、自慢の嘴も採餌には邪魔なようです。

昔読んだ絵本、「狐と鶴の御馳走」を思い出しました。

狐と鶴がお互いを食事に招くのですが、お皿の形状が合わなくて食べられない、といった内容です。

それぞれの食事内容にあった口(嘴)の形をしているのですね。



よく見ると、傍には数羽のハマシギ(夏羽)も見かけました。

この日、他にも様々なシギチを見つける事が出来ました。


帰り際、浜辺を振り返ると再び砂浜で餌を探していました。

まるで、親鳥(オオソリハシシギ)が子供(ハマシギ)を連れているように見えます。


その日ばかりの野鳥観察

新潟県中越地方のバードウォッチャー(3年目)です。 山あり海あり川ありの自然に恵まれた環境で、野鳥を観察しています。 出会った野鳥を、気ままに紹介したいと思います。 【カメラ】 SONY α7 Ⅲ 【レンズ】 SEL200600G F5.6-6.3 G 【テレコンバーター】 SEL14TC